Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
わたくしの言葉を聞いた彼はいったいどんな反応をされるのか。
とても気になります。
それに……もし、わたくしを拒否されたら……………。
そう思えば、胸が痛みます。
苦しい。
コンコン。
わたくしは意を決して瀬名さまのお部屋のドアをノックいたします。
ノックした音が必要以上に大きく感じたのはきっと、わたくしが緊張しているからですわね。
そう思いながら、はじめのノックから二分以上は経過しました。
ですが、お部屋の中にいらっしゃるでしょう瀬名さまの声はなく、こちらへやって来る気配すらありません。
いらっしゃらないのでしょうか?
わたくしは瀬名さまとどうしてもお話がしたいので踵を返すこともせず、目の前にあるドアノブへと手を伸ばします。
ノブをまわして瀬名さまがいらっしゃらないのか確認をとると…………。
がちゃり。
ドアが開きました。
鍵をかけられておられませんでした。
「せなさま?」
小声で瀬名さまのお名前を言いますが、中からはやはり返事がありません。
仮にも他人様のお部屋なので、大きくドアを開けて不法侵入などということができない小心者のわたくしは、体をひねって小さな隙間ができたドアに入ります。