Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】

お部屋の中はとても綺麗でした。


シンプルなモノトーンでつくりあげられたお部屋です。

窓の前に黒の机が佇み、風で揺れるレースのカーテンが優しく影をつくります。



ここは、間違いなく男性のお部屋なのだと、わたくしは実感してしまいました。


ドクン。


ドクン。


ドクン。



そう思うと、心臓はまた大きく鼓動してしまいます。



視線を少し下へとずらせば、ベッドの端が見えました。

その先をたどれば…………瀬名さまが…………眠っていらっしゃいました。




わたくしは瀬名さまに足を忍ばせてそっと寄ります。


ベッドと同じ目線でしゃがみこみ、眠っている彼を目の中に入れました。



ドクン。



わたくしの心臓が……また、大きく跳ねました。



だって、ベッドの上に仰向けで眠っていらっしゃる瀬名さまはものすごく綺麗ですの。



いつもはあいている茶色い眼は瞼によって閉じられ、代わりに長い睫(まつげ)が覆っています。

色素の薄い髪は、窓から吹くそよ風に揺らされて、とても気持ちよさそう。



すっと通った鼻の下にあるのは閉じている大きな口。



瀬名さま…………。








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