Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
∮***想い攫われて*
.+*想い攫われて*+.
「ひっく……ふぇ…………」
どれくらい泣いたでしょうか。
涸(か)れることのない涙はわたくしの頬を流れ続け、その度に虹色のしっぽに落ちます。
ぽたり。
ぽたり。
ぽたり。
泣きすぎたせいで喉がヒリヒリします。
けれど、涙は涸れることはありません。
けっして。
それだけ、わたくしの中で瀬名さまが大きくなっているのでしょう。
他の殿方など考えられません。
わたくしにとって、王子様は唯一瀬名(せな)さまおひとりだけなのですから…………。
なのに……嫌われてしまった。
告白さえも拒絶されてしまった。
泡にもなることができないなんて――――――。
なんて残酷なのでしょうか。