Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】

「お嬢さん、どうしたの?


こんなところで…………」



突然聞こえた声と一緒に大きな影がふたつ、わたくしに重なりました。



頭上から聞こえた殿方の声に、わたくしは見上げます。

殿方の顔は暗くて見れません。

年齢もだいたいしかわかりませんが、声の太さから30歳前後といったところでしょうか?





発せられた言葉が途切れ、息をのむ音が聞こえました。




さぞや驚かれていることだと思います。





それもそのはずだと思いますわ。


だって、わたくしは今、『ひと』とは違う姿をしていますもの。





視線は目の前にあるわたくしをじいっと見つめているのを感じます。






さぞや驚かれていることでしょう。




今のわたくしは人魚なのですから。


そう思うと、少し小気味がいいですわ。



化け物だと罵って、彼らはわたくしから遠ざかるでしょう。





それでいい。





お慕いしている殿方から拒絶されたわたくしですもの。



いっそのこと、すべてから拒絶されればいい。





自暴自棄に陥っていると、目の前の男性から信じられない言葉が耳に入りました。




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