Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
「瀬名……さま?」
うそ…………来て……くださった?
「ああ、こんなにきつく縛られて……」
目を疑っているわたくしを余所に、彼はわたくしの腕を戒めていた紐を取り外してくださいました。
玉のような汗が彼の額から頬を伝い、首筋に流れていっています。
わたくしを……必死になって探してくださった?
せ……な……さ…………ま。
せな…………さ……ま。
瀬名…………さま。
「瀬名さま!!」
わたくしは両腕が自由になると、瀬名さまの首に縋(すが)りつきました。
「ふぇえええええ」
「ああ、怖かったね。
大丈夫だよ。
もう、平気だからね」
そう言って、彼はポンポンとわたくしの背中を撫でて、なだめてくださいます。
「ふぇぇええええええん」
「大丈夫、大丈夫」
何度も……何度もそう言って…………。