Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
「いつ?
いつから、瀬名さまはわたくしが人魚だとご存知だったのですか?」
ああ、だめです。
思いのほか予想していたこととは遥か遠いことを言われた所為(せい)で喉がカラカラです。
唾液が欲しいと喉を動かしても、すぐに口の中は空っぽになってしまいます。
まるで……わたくしの心と同じように――――。
「わたしたち家族がここへ引っ越してきた当初から……」
ということは、わたくしが小学3年生の頃からということですの?
そんな昔から……瀬名さまはご自分のことを知っておられたのですね。
「そもそも、わたしたちがここへ引っ越してきたのは君たち人魚一族を自分達の所為で苦しめていると罪悪感を持ったからなんだ。
わたしはね……君が想ってくれているような綺麗な人間でもないんだ。
生まれながらに悪というものを持った醜悪な魔女一族なんだよ。
だから、君の想いには応えられない」