Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】

魔女一族……聞いたことはありません。


「わたくしは、そんな一族がいらしたこと、存じ上げません!!」



「それはそうだ。


魔女一族は極秘として扱われていたからね。


それに、魔女一族は存外口が堅いんだ。


知らないのも無理はない」



瀬名さまは首をふってそうおっしゃいました。


まるで――――魔女である自分自身を否定するかのように…………。




そんな……どうして?




どうして?


どうしてご自分を否定されますの?



どうしてそうおっしゃられますの?




わたくしは……瀬名さまが好きなのです。



幼い頃、誘拐されそうになったわたくしを助けてくださった瀬名さま。




空手を習って、わたくしを守ってくださった瀬名さま。



先ほどだって……攫われそうになったわたくしを、ご自分が嫌う魔女の力をさらけ出してまで助けてくださいました。




わたくしは……そんな瀬名さまが好きですのよ?





わたくしが好きな瀬名さまを……否定されるなんて……そんなこと……ないのですわ!!


では、わたくしはいったいどの瀬名さまをお慕いしているというのでしょうか。




悲しすぎますわ!!




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