Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
息苦しくって……けれど……優しいそれ。
目を大きく見開けば――――。
ああ、瀬名さま…………。
わたくしは……………。
あなたに今、キスをされてるのですね。
その事実に、思わずうっとりとしてしまえば、彼の唇がわたくしから離れました。
そして……。
たくましい武道を覚えている腕で……わたくしの体を掻き抱くようにして包みます。
「君がそこまで強情な女性だとは思わなかった……。
君を消すわけないだろう?
わたしはいつだって、君を見ていたのだから……」
ぶるり。
わたくしの体が震えたのは、寒さからではありません。
悲しいからではありません。
とても――――――嬉しいからですわ。