Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
「わたしを誘惑しようとしていたんだよね?」
ぎくぎくぎくっ!!
「あ、あの……」
お気づきになられたおりました?
ちらりと確認するように瀬名さまを見れば……。
「わたしが何も思わないと思っていた?」
首をかしげてわたくしを見つめます。
「…………思っておりました」
わたくしが素直にうなずけば、瀬名さまは咎(とが)めるような口調でお話になられます。
「それは勘違いだね。
君の一挙一動に、いつもわたしは振り回されていたから……」
「ふっ、ふりまっ……」わしておりましたの?
わたくしが?
「覚悟していてね。
わたしのかわいい人魚姫……こうなった以上、君を手放すつもりは毛頭ないよ」
ええ、わたくしも貴方をお慕いしておりますわ。
「その点では、わたくしも負けませんわ!!
ずっと瀬名さまをお慕いしておりましたもの」
そう告げれば、目と目が重なり合います。
穏やかな、優しい瞳。
貴方はわたくしにとって最高の魔法使いですわ。