純粋な愛

次の日は快晴だった




僕が重い扉の前に居ると
ダレカより
早く起きた君が
扉を開けてくれた








__ばいばい。








僕は言うと
君の顔も見ずに飛び出した








君がどんな顔
してるかなんて
見たくなかったからさ






それに
僕の顔も
見られたくなかったから








空は快晴だった









僕は自由になった
















突然
雨でもないのに
草の匂いがした






しかも
嗅ぎきれないほど
色々な匂い






立ち止まっていると
中から人が出てきた






どうやらここは
ハナヤという店らしい






店の人は僕に
色々な話をしてくれた







それから
僕がまた来たら
サービスしてくれるって





好きな匂いを
一本僕にくれるって







約束をして
僕は
店の人と別れた







僕は公園で
日向ぼっこを
することにした





久々に匂いを感じながら
ぼーっとした





君は
どうしているだろう
ちょっと思った





でもどうせダレカと
居るんだろうと思って
それ以上
考えないことにした

















いつの間にか辺りは
僕の好きな空気で
包まれていた






そうしたら
ひとりで過ごした夜の事を
急に思い出して
堪らなく寂しくなった。






気付いたら
君の部屋に向かって
身体が動いていた





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