純粋な愛


僕と君が食べ終わった時
タイミングを
見計らったように
電話が鳴った





いつもなら君は
コール音を
これ以上
鳴らすまいと
素早く取っていくのに







今日は
重たい足を
引きずるようにして
できるだけ遅く電話を取った






そして
いつものように
隣の部屋に閉じこもった






扉を閉めるのも
ゆっくりだった







扉ごしに聞こえる声は
いつもの
笑い声とかじゃなくて
暗い声








でも僕にはわかった







電話の相手は
いつぞやここに来た
あのダレカ











何時間
扉ごしに
君を待っていたんだろう






君は電話を切って
扉を開けた









君は泣いていた















…わかっているよ







君は少しも悪くない







ダレカが馬鹿だっただけ





僕を撫でてくれる
優しい君を
傷つけて
泣かせてしまうような
馬鹿なヒトだったんだ







君が泣くことじゃない













そうだ
こういう時は
一緒に星をみよう





君はいつもみたく
アイスを食べて
僕を撫でてくれるだろう?










…嫌なのかい?












じゃあ星をちりばめてよ






そしたら
嫌なことなんて
ちっぽけだった、なんて
笑えるかもよ















でも君は
泣き止む気配すらなくて
星も見なくて
ちりばめることもしなくて
僕はただ君の傍に
いることしか出来なかった





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