純粋な愛


その日は僕の大好きな
草の匂いがした。














君がダレカと電話をして
哀しい顔をしたあの日から
数日が経った






君の生活は
いつも通りになった





僕にホットミルクを
作ってくれて
自分はシリアルを食べて

(時々お茶漬けになる
まれに梅干し入り)

出かけて行く












最近は
なんだか毎日が味気ない







君のあの








__行ってくるね。







の一言も
形式的なものに
なってしまったように思う















僕は昼間の間
透明な扉からそそぐ
太陽の光を浴びながら
ずっと考えていた





君が元気になるために
僕には何が
できるのだろう…








ずっとずっと考えた







でも良い案は
浮かんでこない









と、その時だった









透明な扉は
開いていないのに
雨上がりの草の匂いが
鼻をかすめたんだ









草、草の匂い…













そうか
わかったぞ!

















その日の夜
僕は
明日が待ち遠しくて
ずっとそわそわしていた







そしたら君にも
僕のそわそわが
伝わったみたいで








__今日はなんだか
落ち着かないのね。








と言って
少し笑った






君の笑顔を久しぶりにみて
僕はますます明日が
待ち遠しくなった





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