純粋な愛

いい時間になったので
久しぶりにハナヤへと向かう



いろいろな花の匂いを辿っていくと
前に僕と約束してくれた
あの店員さんがいた


僕がやあ、と声をかけると
店員さんは僕の存在に気付く


店員さんは
久しぶりだね、元気だった?
と僕に問う


まあまあだよ
それよりこの前の約束覚えてるかい?
僕は花をひとつ
もらいにきたんだ


僕の言葉に応えるように
店員さんは僕を抱き
店内を案内してくれた





花を選んだ僕は
店員さんにお礼を言って帰路へ着く


君は喜んでくれるだろうか


僕が選んだこの花を



君を重い扉の前で待つ間
僕は花を傍らに置き
少し休憩した


店員さんは教えてくれた
花は大切に扱わないとダメなんだと


それから教えてくれた
この花の花言葉を




それは「優しさ」
君が僕に最初に与えてくれた温もり
君にぴったりだと思った



君の帰りが待ち遠しい
早く帰ってこないだろうか
僕はもう
君がそばにいないと
落ち着くことすらできないんだ



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