初めては幼なじみ(真樹サイド)~手のかかる転校生~
この時期に転校生?

この時期に転校生……?

中学二年の二月のことだった。

クラス中がざわめきたった。

後、二カ月もすれば、三年生へと進級すると言うこの時期に、男子生徒が転校して来た。

担任教師の隣に立つその姿は、中学生離れした体格で、小柄な担任を見下ろすほどだった。

あちらこちらで女子たちが、目配せをしたり、小声で何か言い合ったりしている。

ピンと伸びた背筋と、緊張してはいるが端正に整った顔。

切りそろえられた短髪がその彫りの深い顔によく似合っていた。

いわゆるスポーツ刈りがここまで似合っているとは、顔全体のバランスや、頭の形に至るまで、整っている証拠のように思えた。

教室の窓際で一番後ろの席に座っていたわたしは、最初に彼を見た瞬間思った。

彼は……

選ばれた人間だと。

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