初めては幼なじみ(真樹サイド)~手のかかる転校生~


わたしもそれの例外ではなく、彼の姿に釘付けになった。


「そんなことになったら、吉沢先生が泣くだろうな。まあ、そう言うことだから、みんな仲良くしてやってくれよ」


担任がそう締めくくり、光輝に一番後ろの席に着くよう指示した。


光輝が座る席にクラス中の視線が集中した。


三十七人と言う中途半端な人数。


横六列に縦六列。


わたしの席だけが、飛び出た状態。


そして、三十八人目の光輝がわたしの隣の席に着いた。


席に着くなり、隣に座るわたしに二コリと笑い掛けて来た。


「なんか、二人だけ飛び出た席だね」


「うん。半端もんね」


いきなり話し掛けられて、本当はドキドキしていたが、できるだけ平静さを装った。


「今まで一人でさびしかったでしょ?」


「そうでもないよ」


「まっこれからよろしくね」


「うん。分からないことあったら聞いて」


さっき以上に平静さを向上させてそう呟いた。


< 3 / 23 >

この作品をシェア

pagetop