初めては幼なじみ(真樹サイド)~手のかかる転校生~
わたしもそれの例外ではなく、彼の姿に釘付けになった。
「そんなことになったら、吉沢先生が泣くだろうな。まあ、そう言うことだから、みんな仲良くしてやってくれよ」
担任がそう締めくくり、光輝に一番後ろの席に着くよう指示した。
光輝が座る席にクラス中の視線が集中した。
三十七人と言う中途半端な人数。
横六列に縦六列。
わたしの席だけが、飛び出た状態。
そして、三十八人目の光輝がわたしの隣の席に着いた。
席に着くなり、隣に座るわたしに二コリと笑い掛けて来た。
「なんか、二人だけ飛び出た席だね」
「うん。半端もんね」
いきなり話し掛けられて、本当はドキドキしていたが、できるだけ平静さを装った。
「今まで一人でさびしかったでしょ?」
「そうでもないよ」
「まっこれからよろしくね」
「うん。分からないことあったら聞いて」
さっき以上に平静さを向上させてそう呟いた。