初めては幼なじみ(真樹サイド)~手のかかる転校生~
「それって……もしかして手作り?」
女子数人で、光輝の話題で盛り上がった昼休みを終えて席に着いた時、朝依頼、何も話さなかった光輝がそう話しかけきた。
光輝の視線の先にあったのは、自分で作ったフェルト生地のアニメキャラのストラップ。
携帯電話に付けているもので、カバンからピンクの帽子を被ったトナカイだけが出ていたのだ。
「うん。自分で作ったんだ」
「ちょっと、見せて」
光輝がその長い手をわたしの席へと伸ばして来た。
中学では携帯の持ち込みは禁止されていたので、隠すように光輝に手渡した。