恋愛野獣会
大きく深呼吸をして声をかけようとしたとき、不意にタケル君がこちらへ振り向いた。



「……っ」



カッと顔が赤くなるのがわかる。



「明日香」



ニカッと笑って、呼び捨てにして手をふるタケル君。



私も手を振りかえそうかと思ったが、周りの生徒たちの視線が気になって結局できなかった。



「お、おまたせ」



「全然待ってないよ」



そう言って、自然と私の手を握るタケル君。

< 228 / 501 >

この作品をシェア

pagetop