恋愛野獣会
こんな状態だと、意識するなと言うほうが難しい。



顔は赤くなり、視線を合わせることができなくて、私は先輩の胸ばかりを見てしまう。



でも、服の上からでもわかる胸板に、よけいにドキドキしてきてしまう。



「もっと心配してほしいのか?」



「……っ」



わかっているくせに、聞いてくる。



冷たかったりイジワルだったりする白夜先輩に、こっちは振り回されっぱなしな気がする。



「そんな事、ないです」



赤い顔を必死にかくしてそう言うと――ドアに触れていた手がスッと離れた。
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