恋愛野獣会
そして、その人物の後姿を見ると――「え? タケル君!?」再び驚いて、目を丸くする。



「な、なんでここにいるの!?」



タケル君が冷蔵庫から冷えピタを取り出し、透明シートをペリッとはがして、私の額に張ってくれる。



「桜ヶ丘高校に通ってる友達に聞いたんだ。寮で1人きりで寝てるって言うから、心配になって」



そう言って、ソファの前にあぐらをかいて座る。



「……ずっと、ここに居てくれたの?」



「あぁ。ほっとけないだろ? っていうか、こんな熱出してるのによく1人にさせたなぁって思うし」



ポリポリと照れくさそうに頭をかきながら言うその姿に、キュンッと胸がなる。
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