恋愛野獣会
お世辞にも綺麗とは言えない文字。




だけど、私はその手紙をギュッと胸の前で抱きしめた。



クスクスッと、思わず笑みがこぼれてくる。



「私、寝言なんか言ってたんだぁ?」



普通、見られたら恥ずかしいはずの場面も今は嬉しくて仕方ない。



鍋の蓋に触れると、まだ暖かさが残っている。



「……ありがとう」



瞼の裏にタケル君を思い描いて、そう呟いた。
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