恋愛野獣会
もはや自分の普段の笑顔がどんなものだったのか思い出せる状態ではない。



右の頬だけ上げてみて「何か企んでるの?」と言われたり、キュッと眉間にシワを寄せて「怒らない怒らない」と笑われてしまう。



「ふぅ……ちょっと休憩しようか」



最終的には呆れ顔とため息。



「すみませんでした……」



ここまで足を引っ張るなんて我ながら情けなくて涙が出そうになる。



関係者の方はみんな優しくて「最初は誰でも緊張するから」と言ってくれたけど、気分が晴れることはなかった。
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