恋愛野獣会
どこかに行っていたのか、白夜先輩が前方から歩いてきたのだ。



ドキン――。



妙に意識してしまって、顔を見ることができない。



私はずっと息を殺して俯いたままで、白夜先輩は無言のままこちらを見ようともせずに、体育館へと入って行ってしまった。



「明日香ちゃん……?」



「なんでもない」



雨はこれから夜にかけて強くなりような気配がした――。
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