恋愛野獣会
行くなよ
タケル君と2人で体育館の外の階段に座っていると、時間があっという間に過ぎていく。



他にも数人のカップルたちが赤い顔を冷ましに出てきて、私たちと同じように座っておしゃべりを始めていた。



そして、体育館の中から聞こえてくるフィナーレの音楽。



「優勝者決まったみたいだね」



「そうだね」



大きな拍手と、マイク越しに喜んでいる桜子の声。



だけどそれらは全部くぐもっていて、ここだけまるで別世界みたいだ。



「見に行かなくていいの?」
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