恋愛野獣会
釈放
―白夜―

窓からタケルが走り去っていくのを見送って、俺はカーテンを閉めた。



ここは光輝の部屋。



俺の部屋とは正反対に黒色で統一されていて、薄いカーテンを引くだけでも夜になってしまったように暗くなる。



「白夜」



今まで電話をしていた光輝が、俺の名前を呼ぶ。



嫌な予感が胸をかすめつつ、振り向いた。



その先には、硬い表情の光輝。



今日だったの……か……。



予感はあった。


わかっていた。



明日香がここに来てから毎日が華やぎ、忘れた気になっていただけなんだ。
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