恋愛野獣会
☆☆☆

タケル君の後ろ姿が見えなくなるまで見送ってから、私は部屋へ戻ってきた。



タケル君の赤くなった顔を思い出すと、こっちまで赤面してしまう。



それに、あの声。



本気だった。



私を騙そうとした人なのに、ドキドキしてしまった。



「へん……なの」



熱い頬に触れて呟く。



と、その瞬間。



「なにが変?」



と後ろから白夜先輩の声がして、私は驚いて飛び上がってしまった。



振り向いて


「なんでそんなところにいるの!?」


と怒鳴ると、先輩は覚めた目で私を見つめて



「っていうか、ドアの前に突っ立ってたら中に入れないんだけど?」


と、言われてしまった。
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