恋愛野獣会
いいからって言われても、でも……。



戸惑いつつも一歩二歩とソファへ近づいていく。



すぐ近くまで来ると、先輩は私の手を掴み、そのまま引き寄せた。



「わっ」



バランスを崩した私はそのまま先輩の膝の上にまたがって座ってしまう。



「ご、ご、ごめんなさい!」



真っ赤になって離れようとすると、先輩の手が背中に伸びてギュッと抱きしめられてしまった。



熱いくらいの体温が先輩から伝わってくる。



ほのかな香水のかおりが鼻先をくすぐる。



「先輩……?」



「明日香、あいつのことが好きなのか?」



「へ……?」



「あいつ……タケルってやつ」
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