恋愛野獣会
☆☆☆

晴れて彼カノになった私たちだけど……実感がわかずに、私はフォークに刺さっていた魚をポロッと落としてしまった。



「明日香ちゃんボーっとしてどうしたの?」



青葉先輩に言われて、慌てて「大丈夫です」と、作り笑い。



だって、ついさっきの部屋の出来事がまだ夢のようなんだ。



チラリと白夜先輩を横目で見てみても、いたって普通。



いつもとなぁんにも変わらない。



《夢のよう》じゃなくて、本当に夢だったのかな?



もしかして白昼夢とか?



なんて考えて眉間にシワをキュッと寄せる。



だとしたら私、どれだけ飢えてるのよ。



「明日香」



「は、はいっ!」



白夜先輩にいきなり呼ばれてピンッと背筋を伸ばす。
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