恋愛野獣会
お金持ちだった頃もいいなずけとか私にはいなくて。



彼氏ができたこともなくて。



すべてが始めてなんだもん。



「おいで」



手招きされて、私はおずおずとソファへと近づいていく。



私よりも随分早く起きてシャワーを浴びたのか、先輩の髪から甘い香がした。



「今日からまた送って行ってやるからな」



「うん……」



「昼も、放課後も、呼びに行くまで教室で待ってろよ?」



「う、うん」



先輩の真剣な表情にドキドキする。



こんなに束縛とかしちゃう人だったんだ。



一見クールだから、わからなかった。
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