恋愛野獣会
千切れそうになるまで引っ張られて、痛みで涙がにじむ。



その時だった。



「なにしてるの?」



優しい声に、私の髪を掴んでいた手がパッと離れた。



「別に、なにもしてないです」



白夜先輩が来て、急にしおらしくなる女の子たち。



だけど、私に乱暴していた場面をしっかりと目撃している白夜先輩は


「もう知ってると思うけど。こいつ、俺のだから」


と、私の事をひきよせ、そのまま抱きしめたのだ。



嬉しいけれど、顔から火が出るほど恥ずかしい。



「でも、私達はずっと白夜先輩のファンなんです!」



クルクルパーマの子が、半泣きでそう言う。



「そう、ありがとう。でも、俺のファンなら理解してくれるよね?


こいつを傷つけたからって俺はこいつから離れないし、こいつを嫌いにもならない。


逆に、そういうセコイ事をする君達のことは幻滅するけどね」
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