恋愛野獣会
「俺? 俺の名前は吟-ギン-。君は?」



「私は……明日香」



白夜先輩にそっくりなその人に、私は素直に名前を教えた。



「明日香って、いい名前だね? ねぇ、今暇ならちょっと話しでもしない?」



ニコニコと微笑む吟。



出会った頃の白夜先輩とは全然違う、暖かな感じがする。



白夜先輩に泣かされてここに来たくせに、白夜先輩にそっくりな人と出会ってドキドキしてる。



そんな自分が少し腹ただしくて、だけど隠せなくて……。



「行こう?」



そう言って差し伸べられた手を、簡単に掴んでしまったんだ――。



まさかこれが、後々大変なことになるなんて、考えもせずに……。
< 440 / 501 >

この作品をシェア

pagetop