恋愛野獣会
そう考えた俺は自然と早足になっていた。



《準備中》と書かれたキャバクラの前で俯いている明日香。



こんな所で1人名門学校の生徒が座り込んでるだなんて、変な男に見をつけられたりでもしたらどうするんだ。



飽きれて声をかけようとしたその時――。



俺より先に銀髪の男が明日香に声をかけたのだ。



俯いていた明日香が顔をあげ、驚いたように目を丸くする。



え?



知り合い……?



俺はもう一度男を見た。



キラキラ光る銀髪頭なんて、そうそう見かけない。



ということは、明日香と同じ学校の、あの男か?



いやでも、制服を着ていないじゃないか。




色んな考えが頭の中を巡っていく。




そうこうしていたら、明日香とその男は手を握り合って立ち去ってしまった。



「あ……」
< 442 / 501 >

この作品をシェア

pagetop