恋愛野獣会
ユカさんは不適な微笑を見せて、私の頬に手を伸ばした。



指先まで冷え切った手。



「本当に、よく似てるわ」



そう言って、ニッコリと笑う。



「え……?」



「ねぇあなた。恋愛野獣会についてもっと知りたいとは思わない?」



恋愛野獣会……?



どうして。



なんで今そんな話題が出てくるの?



私をここへ連れて来たのは吟さん。



白夜先輩たちは関係ない――。



「ある昔ね……」



ユカさんは話しながら私を部屋の奥へと誘導した。



畳の部屋に入ると、異様な空気が体中を支配する。



吐き気がしてきそうな不快感。
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