恋愛野獣会
光輝とカヤは恋人同士で、白夜はカヤのお兄さんで。



カヤが殺されてしまったことをきっかけに、2人は心を閉ざしてしまった。



女嫌いなんだといったけれど、本当は違う。



誰も愛せなくなったんだ。



身近な女性が殺されてしまってから、互いの中のカヤさんばかりを求めるようになった。



『白夜は極度の女嫌いだ。特に、君みたいな子は受け付けない』



最初に青葉先輩に言われた言葉の意味も、理解できる。


私が、妹のカヤにそっくりだからだ…。



「恋愛野獣会っていうのはね、いつかまた女性を愛したい。その思いも込められて、名前がつけられたのよ」



それが、一番最初に『恋愛』がつく理由――。



「でも……どうしてカヤさんがここに……?」



「私? それも簡単な理由よ。私はずっと、光輝の事が好きだったから」



「え?」



「家が近くて、光輝が幼い頃からずっとずっと好きだった。


だけど私は彼よりいくつも年上だから、『お姉ちゃん』っていう存在であり続けたの。


それなのに……突然現れたカヤに横取りされたの」



そう言ってから、ガリッと歯をくいしばる音が聞こえた。



「光輝の親の会社が破綻して、最初は彼も落ち込んでた。



でも、すぐに笑顔が戻ったの。


生徒会のメンバーになったら学園をやめなくてもいいんだって言って。



それは私も嬉しかったわ。でも……そこで光輝は白夜とカヤに出会ったの」
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