恋愛野獣会
「吟の中に恨みの種があったことは確かよ。だから、私と一緒になって邪魔なカヤをここへ閉じ込めたんだから」



え――…?



今、なんて?



ユカさんの表情が見る見るゆがみ、そして大声で笑い始めた。



「何日も、何週間も、何ヶ月も。



カヤはここで1人きりだった。いつ死んだのかもわからない。それは孤独な死だったでしょうね」



だけど、いい気味よ。



ユカさんから少しでも離れようと後ずさりをしたとたん、恐怖で足がからみその場に尻餅をついてしまった。



逃げなきゃ……逃げなきゃ。



気持ちばかりがあせり、動けない。



「あなたが現れた時、思ったわ。また同じようにすればいいって。


そうすれば光輝は今度こそ私を見てくれるって」



そこにタイミングよく、吟さんが戻ってきて計画は実行されることになった。



ユカさんの手が私に伸びる。



「嫌っ!」



振り払おうとするのに、力が出ない。



ユカさんの手にはガムテープとロープ。



しばられてしまえば、それで終わりだ。




嫌だ。



怖い。



助けて……白夜先輩!!
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