恋愛野獣会
―白夜―

「いっ!?」



体に電気が走ったような痺れを感じて顔をゆがめた。



「どうした?」



光輝が心配そうに覗き込んでくる。



「いや、別に……」



嫌な予感が胸に渦巻く。



俺たち4人は今バスに乗っている。



目指すはあのボロアパート。



きっとあいつはあそこにいる。



明日香と一緒にいる。



「俺が、もっとしっかり見ててやれば……」



手の中に握り締めているのは、明日香が忘れていった教科書だ。



明日香はきっとこれを取りに来た時偶然俺たちの話を聞いてしまったんじゃないか?



そして勘違いした明日香は取り乱し、そのまま学校を出た……。

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