恋愛野獣会
「カヤを殺すつもりはなかった。お前にとっても実の妹になるんだ。殺せるワケがない」



どういう事……?



私は吟さんと白夜先輩を交互に見つめる。



「父親へ自分の存在をアピールするために、カヤを少しの間ここへ泊まらせておくだけの予定だったんじゃないのか?」



「兄さん。それはなにを根拠に言ってるの?」



冷静さを装っている吟さんの声は、かすかに震えた。



「誰かがこの部屋のカギを変えた。だからお前は入れなくなったんじゃないのか?」



小さく割れた窓から、生暖かい風が入り込んできた。



また、雨が降るかもしれない……。


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