恋愛野獣会
「そういえば……」


ふと思い出して私は口を開いた。



「みんなが来る少し前に、私もうダメだって思ったの。


抵抗する気力もなくて、やられるがままで……。
でも、その時声が聞こえてきたの」



「声?」



白夜先輩の言葉に、私は頷く。



「『頑張って! 大丈夫だから、しっかりして! お兄ちゃんがもうすぐ来るから』


って……。それで、私思いっきり抵抗したの」



あの声がなかったら、1人目のあいつに私は――。



「まさか、カヤが……?」



「うん。そうだと思う」
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