短期恋愛。
1.dolce story
~♪
朝日が差すカーテンがとっても眩しい。
そんな狭い小さな部屋に響くように
ある哀しげなバラード曲が流れてる。
その曲の歌詞は誰しも
女の子が共感するような
¨会いたい¨¨泣きたい¨¨傍にいて¨
何度も聞こえてくる。
もちろんあたしもこの歌詞に
共感してるひとりだけど。
毎朝毎朝このバラードで目が覚める。
朝になったら忘れないかな、とか
きっと自分は考えているんだけど
誰にも忘れられない恋ってあるよね。
私にはまだわからなかった。
恋って忘れられないものなの?
…
私は桜木 美羽、みわじゃなくてみう!
美しい羽を持って世間に
羽ばたいてほしいらしく美羽。
つける名前がお母さんらしいよね、
すごい気に入ってるんだよ。
そんな私は今日から高校一年生。
中学の友達も多い近所の高校に
通うことになった。
近いからってのが
本当の理由だけど。
中学の頃は吹奏楽部。
高校でも吹奏楽部に入ろうかな♪
って思っていた。
そう、あたしは
部活で青春していた普通の女の子♪
恋愛とか興味なくて、
ずっと女の子の友達と遊んでた。
男の子と手を繋ぐのが
何でドキドキするの!?
こんな感じ。
でも高校で少しぐらいは
恋愛してみたいな~って。
漫画のような恋とかしてみたいよね、
夢のまた夢だけど。(笑)
そんな桜木美羽、
まだ、恋愛経験ぜろ!
…あの人たちと逢うまでは。
「美羽!遅刻するよ!今日入学テストで
単語テストなんでしょ?!」
一階から親の声がこだまする。
「単語なんて歩いてる間に覚える~!いってきます!」
私は新しいセーラー服を着て
学校に向かった。