誠の桜に止まる蝶~番外編~
「だ、だれ?」

すこし声が上ずってしまう。

そんな私を沙織は優しい瞳で見つめる。

「大丈夫。総司ではないから。」

そう言っていたずらっぽく微笑む。

「そっか・・・じゃなくてっ!!総司ではないってことは新撰組の中にいるの?」

「うん。」

はにかんだ笑顔はとてもかわいくて女の子の私でさえ顔が赤くなってしまった。

「名前は秘密だよ?」

そういって沙織はまたいたずらっぽい微笑みになる。

「そんなあ・・・」

「今度ね♪この話は2人だけの秘密ね?」

「そっかあ・・・うん♪」

わたしたちは微笑みあった。

だけどまだ私たちは知らない。

この会話を聞いていた人がいたなんて・・・
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