誠の桜に止まる蝶~番外編~
「はあ・・・もういいわ。新八はさっさと巡察行ってきなさい。蝶を今度待たせたら怒るからね?」

「ああ・・・・」

「い、行きましょう新八さんっ!!」

私は新八さんをずるずると引きずりながら歩いた。

「久しぶりに怒鳴った気がする。」

私は少しひりひりする喉に手を当てる。

「相変わらず沙織は怖いなあ。」

「あの場で楽しそうにしている総司のほうが私は怖いわよ。」

苦笑いで答えると総司も苦笑いをこぼす。

「だけどさ、沙織が俺らのことを名前で呼ぶなんて久しぶりじゃないか?」

平助くんが生き生き話す。

私はしまったと思い口に手を当てる。

「つい昔の癖がでちゃった・・・」

「いいじゃねえか。そっちの呼び方のほうがお前らしいよ。」

左之さんが嬉しそうに微笑む。

「まったく、私が距離置こうとしてた努力が新八のせいで台無しだわ。」

「どうして距離置こうとしてたのだ?」

一くんがするどく尋ねてくる。

「まったく一くんは相変わらずね。理由は簡単よ。離れたくなくなるから。」

「え?」

総司が不思議そうに首をかしげる。

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