誠の桜に止まる蝶~番外編~
そして私はその後歳三の部屋から出てさくらを眺めていた。

「早く、蝶帰ってこないかな・・・」

そんなことを呟いていると、隣に誰かが座った。

「佐之さん・・・・」

「お前とこうして桜を見るのは久しぶりだな。」

「うん。佐之さんは相変わらず?」

「相変わらずってなんだ?」

不思議そうにこちらを見つめてくる。

「だから、今でもたくさんの女の人と遊んでるの?」

「なっ!!お前なんてこと言うんだよ。」

「だって、私が小さい頃は良く佐之さん遊び人って言われてたもん。」

「ったく、なんてこと覚えてるんだよ・・・最近は遊んでねえよ。」

「ふうん・・・」

沙織は少し疑うようにこちらを見てくる。

お前がいるのにほかの女なんか目にはいるわけねえよといいたいのをぐっと堪える。

「なんだ、気になるのか?」

俺は冗談めかして尋ねる。

「なっ!そ、そんなわけないでしょ!!」

沙織は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまう。

俺はその姿に不意に胸が高鳴る。

俺を、気にしてるのか・・・?
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