誠の桜に止まる蝶~番外編~
「お前・・・」

「あ、そういえば今日の夜の巡察は誰?」

俺の声を掻き消して沙織は口早にそう尋ねる。

「あ、今日の巡察は俺と一と土方さんと数名の大した値だけど・・どうしてだ?」

「私も行く!!」

そうしてにっと微笑む。

「はあ?」

俺は思わず素っ頓狂な声を上げる。

「だめ?」

「土方さんに聞かなきゃわかんねえよ。」

そういって頭にぽんっと手を置く。

「わかった!!歳三に聞いてくる!!」

そういって沙織は駆け出した。

「まったく、あいつにはかなわねえよ。」

沙織が居なくなった後にほのかに真水のような清らかなにおいがした。
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