誠の桜に止まる蝶~番外編~
・・・私はなぜか左之さんにお姫様抱っこされております。

「さ、左之さん?私あるけるんですけど///」

なんとか私は赤い顔を隠しながら言う。

「ん?お姫様はこうやって運ぶものじゃねえのか?」

すこし意地悪く微笑む。

「も、もうっ!私はお姫様なんかじゃないわよ!」

「そうはみえねえけどな。」

そう言って左之さんは自分の部屋まで来ると私をそっと降ろす。

「今日の巡察についてだが、隊長はさっきも言った通り俺、一、土方さんと隊士数名だ。たぶん何事もないと思うがお前は俺らの後ろを歩けよ?」

「嫌よ!歩くなら横がいいっ!!」

「あのなあ・・・」

「大丈夫!邪魔にはならないからっ!!」

「ったくわかったよ。」

「ありがとう。じゃあ私一君に話してくるからっ!!」

そう言ってふわりと立ち上がり沙織は出ていこうとする。

その姿を見ておもわず手を掴む。

「え?」

「あ、いや、なんでもねえ。」

ぱっと手を放す。

「そ、そっか!じゃあいくねっ!!」

そう言って沙織は部屋から出ていく。

沙織は8年前よりはずっと美しくなった。

「はあ、俺がまさか女にはまるなんて、な・・・」

庭に植えてある桜を見ながらぽつんとつぶやく。
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