誠の桜に止まる蝶~番外編~
「って私は何処へ行けばいいの?」

そうつぶやくとまた季節が廻る。

そして、場面は桜の木の下へと変わっていた。

「あの子は・・・・」

桜の木の下に男の人と女の子が立っていた。

そして、私の後ろを見ている。

うしろを振り返ると近藤さんを先頭にみんなが歩いていた。

平「おい、近藤さん。あそこに誰かたってるぜ?」

平助くんが私の向こう側を指す。

ここでは私は見えないらしい。

近「本当だな。女の子と男の人のようだが・・・」

新「声かけてみようぜっ!!」

土「おい、新八てめえふざけたこと言うんじゃねえ。」

そしてゆっくりと沙織が歩き、こちらに近づいてくる。

総「こんにちは。僕たちになにかようかな?」

子供が好きな総司は優しく問いかける。

「あなたたち、弱い。」

総「なっ!!」

いきなりのことに総司が固まってしまった。

あれ、あの言葉どこかで・・・・

「沙織。いきなり失礼なことを言うんじゃない。」

男の人がゆっくりと近づき沙織をたしなめる。

沙「だって龍王。この人たち全員弱いんだもの。真実を言ったまでよ。」

近「いやあ、これはまいったなあ!こんな小さな子にまでそう言われてしまうとは。」

龍「すみません姫が無礼なことを申し上げあげました。」

沙「龍王!姫というのはやめなさい。そうだ。私がみんなに稽古をつけてあげる。」

土「はあ?」

そう言って沙織は生き生きとみんなを自分の家へ招き入れた。
< 143 / 166 >

この作品をシェア

pagetop