誠の桜に止まる蝶~番外編~
ゆっくりと目を開ける。

するとそこには私の傍らで眠っている総司と疲れているのが一目でわかる沙織がいた。

「沙織・・・」

「おはよう。蝶。あなたがどうして時を超えたのかわかった?」

沙織は穏やかに微笑む。

「・・・うん。わかったよ、私が時を超えた意味。」

「そう。その意味がわかれば、もう大丈夫ね。」

「うんっ!もしかして沙織、ずっと手を握っていてくれたの?」

そうだ。

私の左手はずっと温かかった。

「うん。あなたに霊力を渡せるのはわたしだけだからね。」

「もしかしてずっと!?」

答えず沙織は微笑むだけだ。

そして私の声で総司が目を覚ます。

「んっ・・・・蝶?」

「総司。おはよう。」

私はゆっくりと微笑む。

「っ蝶!!!」

私は総司にぎゅうっと抱きしめられる。

「5日間も眠ったままだったから、もう目覚めないんじゃないかって不安になった・・・」

「ごめんね総司?でも、もう大丈夫だよ。」

そう言って私は総司を抱きしめ返す。

沙織がそっと部屋から出ていく姿が見えた。
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