誠の桜に止まる蝶~番外編~
新八と話しながら俺は蝶の部屋に向かう。

「なあ左之。蝶ちゃん大丈夫かな?」

「大丈夫だろ。沙織がついてるんだから。」

「そうだなっ!!蝶ちゃんの様子見たら飲みに行くか・・・っておい!!沙織じゃねえか!!」

向こうからおぼつかない足取りで沙織が歩いてくる。

「あ、左之さん・・・後新八。」

「おいっ!後ってなんだちきしょっ!!沙織、蝶ちゃんは?」

「目を覚ましたわよ。今は総司といるからそっとしてあげ・・・」

そう言いかけて沙織はふらりと前に倒れる。

「おいっ!大丈夫か沙織!?」

俺は走って沙織の体を支える。

「んっ・・・少し、疲れた・・・かな・・・」

「馬鹿野郎。どうしてこんなになるまで無茶しやがるんだっ!」

俺はおもわず怒鳴る。

「左之さん・・・怒鳴らないの。」

俺の腕の中でにっこりと微笑む。

「ったく・・・部屋まで連れてく。」

そう言って沙織を抱き上げる。

「ちょっ!歩ける・・・」

「そんな体で無理してんじゃねえよ。あ、新八。そういうことだからすまねえな。」

「お、おう」

そう言って新八を残して沙織を運ぶ。

新「いいなあ・・・俺も恋したくなったぜ」←

悲しい独り言だけが廊下に零れた。
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