誠の桜に止まる蝶~番外編~
「今日は本当にいい天気だなあ・・・・」

総司は一人でつぶやいている。

おもわず私は微笑みそうになるのをこらえる。

「もし、俺が蝶にいろいろなことが落ち着いたら夫婦になろうって言ったら蝶はどんな顔するかな?」

え?

いま総司なんて・・・?

総司は楽しそうに続ける。

「いろいろなことが落ち着いたら、俺と蝶でどこか小さな村でも構わないから静かに暮らしていきたい。って俺の夢を聞いたら蝶は笑うのかな?」

総司はすこし照れたようにつぶやく。

胸がぎゅうっと締め付けられた。

今のいつ死ぬかどうかわからない時代。

そして新撰組という名を背をっているあなたはどんな思いでその願いを口にしているの?

「たまに土方さんたちをからかいに行こうか?やっぱりあの人の俳句集をからかわないのはもったいないからね。」

楽しそうにつぶやく総司。

私はおもわず目を開いた。

すると総司と目が合う。

すこし驚いたような顔をしていつものやさしい笑顔になる。

「おはよう。蝶。」

「っ総司!!」

私はぎゅうっと総司を抱きしめる。
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