誠の桜に止まる蝶~番外編~
「こんな愛おしい人を手放せるわけがないよ。ねえ蝶?」

「なに?」

「さっき起きてたなら聞いてたと思うんだけどさ、この先なにもかもが落ち着いたら俺と正式に夫婦(めおと)になってもらえますか?」

すこし照れくさそうに言う総司。

もちろん答えなんて決まってる。

「っはい!」

私は笑顔でうなづいた。

だけど幸せすぎて涙があふれてくる。

「まったく蝶は泣き虫だなあ♪」

そういって総司が優しく私の涙をぬぐう。

「だ、だってうれしいんだもん!!」

「そんな泣き虫な蝶に送りたいものがあるんだ♪目をつぶって?」

「え?こ、こう?」

私はおずおずと目をつぶる。

すると髪の毛に優しい感触が伝わる。

「いいよ。」

「え?簪?」

「うん。俺からの贈り物。この簪に誓うよ。俺はこの先何があっても蝶だけを愛するって。そして夫婦(めおと)になるってね。」

私はそっと髪から簪を取る。

赤を基調とした真珠をちりばめた美しい簪だ。

「・・・・っ私も、この簪に誓います。総司だけを愛するって、あなたと夫婦になるって。」

伝う涙は幸せの証。

そうして私は総司とそっと口づけを交わす。

「うわああああっ!!」

わたし達の横に新八さんと平助くんが転がってくる。

「きゃっ!ふ、二人とも・・・それに沙織、原田さん、それに一さんに土方さんまでっ!?」

新「ったく左之が押すからいけねえんだぞ!!」

平「新八が勝手に前のめりになっていったんだろ!!」

2人がギャーギャー叫ぶ。
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