誠の桜に止まる蝶~番外編~
「蝶は相変わらずね。総司さん、蝶が迷惑かけていない?」

「いいえ、むしろ僕が迷惑かけっぱなしですよ。」

「蝶はお転婆じゃからのう。おぬしも大変じゃろう?」

「いいえ。そこがかわいらしいですよ。」

初めて蝶の両親にあったが不思議と緊張はしなかった。

「お二人にお聞きしたいことがあります。」

そして俺はずっと思っていたことを聞こうと思い口を開く。

「なに?」

蝶とよく似た優しいピンク色の瞳をこちらに向ける。

「蝶からすべて聞きました。僕は、お二人から御嬢さんを奪ってしまう形になりましたが、それでもお二人はいいのですか?」

「奪われてなどいませんよ。」

「え?」

「そうじゃ。蝶は自分の意志でおぬしのいる世界で生きることを選んだのじゃ。だからあれは蝶の意思じゃ。だからわしらは奪われてなどいないのじゃよ。」

「それに、蝶が幸せなら私たちも幸せなんです。」

そう言って優しく微笑む二人。

ああ、やはり蝶の両親だ。

「それに、蝶はあなたが居なければダメみたい。総司さんは?」

「僕も蝶が必要なんです。この先蝶より愛しい人など見つけられるはずなんてないですから。」

「刹那。蝶はやっぱり素敵な人と巡り合えたのね。」

「ああ。総司さんなら安心して蝶をまかせられるな。」

「もう、三人ともなんの話をしているの?」

蝶がふわりと舞い降りる。

顔の赤みはひいたらしい。

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