誠の桜に止まる蝶~番外編~
「ひ、土方さん待ってくれええええええ!!!」

「誰が待つかばかやろう!!!」

私は二人の声でがばっと起き上がる。

どうやら今度は新八さんが死に掛けている様子。

私はそっと茂みから声のするほうを向く。

新八さんが必死に廊下を走っている。

それを土方さんは時速100キロくらいは出ているのではなかろうかというくらい素早く新八さんとの距離を詰めていく。

「うわあ・・・鬼の副長怖い・・・」

私はおもわずつぶやく。

あれは鬼じゃなくて鬼婆じゃないかな?

いや、土方さんは男だから鬼爺?

私がふとそんなことを考えているといつのまにか土方さんがこちらに向かって歩いていた。

「うわあ・・・新八さんもやられたんだ・・・」

私はそっと動き出す。

捕まったら確実に死んじゃう!!

そういえば総司は何処に行ったんだろう?
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